施設や家でもできる‼︎発達障がい専門講師が教える療育遊び5選
みなさん、こんにちは。
親子発達応援roomSaule(そーる)保健師のささきみかです。
私は日頃、発達障がいの子供たちが通う施設や子供たちの支援をする支援員の方向けにバランスボールやタッチケアを指導・実践をしているのですが、これからの寒くなる時期、室内で子供とどのように過ごしていいかわからないという方が多いような印象を受けます。
施設で働いている方やお母さん、ママさんは子供が家にいると「今日は一体何をして過ごせばいいのか」と頭を抱えてしまったり、悩んでしまったりしてしまうのではないでしょうか。
実はこの私自身、発達障がいのある子供を育てているのですが、子供が長い時間家にいるときは、家で気軽にできる療育につながる遊びを実施していました。
今回はバランスボール講師歴5年、タッチケア 指導人数200人以上の実績を持つ、発達障がいの子供を子育て中の母でもある私佐々木が、実際に我が子にも実践していた施設や家でも簡単にできる療育遊びをご紹介いたします。
どれもこれもお金もかからず、今すぐできちゃうものばかりを集めてみましたので、これから寒くなる季節、室内で過ごす時間も増えるかと思いますので、そんなときにぜひ今回ご紹介する療育遊びを実践してみてください。
今回紹介する療育遊びは5つ
今回私がご紹介する療育遊びは、
- アルプス一万尺
- 手を振ってぶるぶる遊び
- 背中文字当てゲーム
- バランスボールでありさん
- バランスボールでひとで
の5つとなります。
それでは早速一つ一つご紹介していきましょう。
療育遊び①アルプス一万尺
誰もが知っている歌と言っても過言ではない【♪アルプス一万尺】ですが、この歌を用いて簡単にできる療育遊びがあります。
やり方はとってもシンプルで、昔、お母さん方がやった【♪アルプス一万尺】の手遊びをするだけ。
実はこの【♪アルプス一万尺】の手遊びは、療育的な効果も狙うことができるのです。
アルプス一万尺の手遊び歌は療育遊びにもなる
例えば、この歌の手遊びの中で両手をパチンと合わせて叩く場面がありますが、この両手を合わせて叩くというのは真ん中を意識する、つまり中心軸を意識することにつながります。
発達障がいのある子供の中にはバランス感覚がうまく取れないなどの子供のいますが、その子供の多くが自分の中心軸がわからないといわれています。
ですから歌を通じて手遊びをしながら、楽しみながら自分の中心軸を知ることにつながるのです。
また、この手遊び歌は二人一組で行いますが、お互いに手を合わせ、相手のリズムに合わせることや、手を交互、両手、上下に動かして合わせることで空間認知力を育てます。
空間認知力とは、
空間認識能力(くうかんにんしきのうりょく)とは、物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する能力のこと。空間認知(くうかんにんち、英: spatial perception、独: Raumwahrnehmung)、空間識(くうかんしき)、空間知覚(くうかんちかく)の能力をいう。
(引用:ウィキペディア)
といわれています。
発達障がいのある子供の中には、この空間認知力を把握するのが苦手な子供もいますが、この手遊びを積み重ねることで把握の向上につながる場合もあります。
この他にも、他者とタイミングに合わせて手遊びするということは、発達障がいの子供の中には苦手とする子が多かったりします。
しかし、この歌を少しずつ積み重ねることで、徐々に相手のペースに合わすことを学ぶ機会にもつながりやすいのです。
療育遊び②手を振ってぶるぶる遊び
次にご紹介する遊びは、立っても座ってもできる遊びなので幅広い子供が取り組むことができます。
この遊びはとってもシンプル。
二人1組なり向かい合います。
そして互いの手を取り合って、そのままぶるぶるとお互いの手、腕を振るだけ。
とっても簡単ですよね。
実はたったこれだけの遊びでも、療育につながる要素があるのです。
手をぶるぶるする療育遊びが効果的な理由
なぜこの向かいあって両手を繋いでぶるぶる揺らすだけで、療育につながる遊びになるのか。
この遊びでは体に振動が伝わり、普段緊張して肩や背中に力が入りがちな知的、発達障がい児たちの緊張が緩む遊びです。
放課後等デイサービスなどの活動前に、体をほぐすタイミングで取り入れるのもおすすめです。
療育遊び③背中文字当てゲーム
こちらも【♪アルプス一万尺】同様、小さい頃に体験した方が多い遊びと言えるのではないでしょうか。
やり方は読んで字の如く、二人1組になり、一人は相手に背中を向け、もう一人は相手の背中に文字を書き、なんの文字を書いたか当てるゲームです。
背中文字当てゲームが療育遊びにつながる理由
この遊びがなぜ療育遊びにつながるのかというと、この遊びを通じて見えない背中に指が触れることで、普段なかなか意識を向けにくい背中に意識を向けることができます。
知的、発達障がいのある子たちは、からだの在りかがわかる感覚である固有受容覚が育ちにくい傾向があるため、目に見えない背中がわからない子もいるのです。
背中文字当てゲームでは、背中に手が触れて、触覚を通じて背中がここにあることを子どもたちに教えてあげることができます。
また、文字の形を連想することで想像力を育てることに役立つと言われています。
バランスボールを使った療育遊び
ここからご紹介する療育遊びは、バランスボールを使用します。
子供がバランスボールを使用する際は、必ず子供のサイズに合ったバランスボールを用意して行ってください。
大人が支えている状態で安全が確保されたうえで、今回ご紹介する以下2つの動きについては直径55センチの大人用で試してみて下さい。
子供のバランスボールの選び方については、過去の記事にまとめていますので、そちらを参考にしながら検討されてください。
バランスボール講師おすすめ!!子供用サイズ3選まとめ
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療育遊び④バランスボールでありさん
最初に紹介するバランスボールを使った療育遊びは、バランスボールを使ってありさんになる遊びです。
やり方はとっても簡単。
子供をバランスボールの上にうつ伏せに乗せ、前後に揺らします。2人1組で行います。
このときに【♪おつかいありさん】の歌を歌いながら行うととてもいいです。
あんまり急いでごっつんこ♬という歌をうたい、お互いに向かい合って頭をごっつんこを するような感じで遊びます。
バランスボールありさんが療育遊びになる理由
この歌で、「ごっつんこ」の寸前でお互いに止めることで、タイミングを合わせて止まることができる体を育てます。
どれくらいの距離だと相手とぶつからないかということを学べます。
また、からだを前後にゆらすことで、感覚統合でいう前庭覚(バランス感覚)を養うことにつながるといわれています。
療育遊び⑤バランスボールでひとで
最後に紹介する遊びは、バランスボールでひとでになる遊びです。
この遊びもとってもシンプルで、まず、バランスボールで仰向けになります。
そして、そのままゆっくりと背中を伸ばしていきます。
たったこれだけで、療育につながる遊びになるのです。
バランスボールのひとでが療育遊びになる理由
このバランスボールでひとでになる遊びでは、背中がボールにつくことで、 背中を意識でき、頭が逆さになることで回転する体験ができ、バランス感覚を育てることが できます。
息子も最初は怖かったのですが、徐々に少しずつ背中がボールに付けれるようになり、両手を後ろに伸ばせるようになりました。
もし、子供がこの遊びを怖がる時は無理せず少しずつ進めていくのがポイン トです。
少しずつ継続しながら、両手を仰向けでブリッジのように力を抜いて伸ばせることを目指していきましょう。
施設や家でもできる‼︎発達障がい専門講師が教える療育遊び5選まとめ
いかがでしたでしょうか??
これから寒い季節がきて、子供がおうちや室内で過ごす時間が増えるかと思いますが、手軽に身近にできる遊びを通じて、楽しみながら療育活動を行う時間にしてみてください。