サポートブックの作り方~就学・就園に向けた準備にはサポートブックの作成がおすすめ!

発達障害を抱える子どもの就学や就園に当たって、どのような準備が必要なのかと、不安に感じている方は多いのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが『サポートブック』の作成です。

サポートブックとは、子どもの行動や体の状況、感覚などの特徴やその対応方法について、わかりやすくまとめたものを指しています。

子どもの安心に繋げることができ、保護者の不安も軽減することから、活用する方が増えています。

サポートブックとはどのようなものなのか、作り方についてご紹介しましょう。

サポートブックとは

自分の子どもに関わる人に前もって「こんな子です」ということを知ってもらうための支援グッズの一つです。

特に決まった形式はなく、子どもの成長に応じて書き換えていき、クリアブックなどに保管しておいて、必要に応じて提示するなどして使用していくものです。

例えば、名前や生年月日などの子どもの基本的なプロフィール、医療の情報、相談先の機関をはじめとして、

  • 子どもの特性や必要な配慮
  • 食事や排泄など身のまわりのこと
  • 理解力や表現力などのコミュニケーションの取り方
  • 好きな遊びや苦手な食べ物
  • こだわりやパニックでの対応

などといった内容を記しておきます。

記憶だけに頼ってしまうと、どうしても曖昧になってしまい、本当に伝えたいことが伝えられないようなシーンが起きてしまうことになります。

また、普段からなかなか記録を残しておけないという方にとっても、就学・就園のタイミングで作成しておくととても便利です。

サポートブックを作る意味

サポートブックは、子どもの個人情報や医療的な情報、相談機関だけではなく、家族が日常的に感じる、生活に根付いた情報を記載することができます。

障害を抱えた子どもの就園や就学によって、少しずつ社会の中で生活するにあたり、周りからさまざまな配慮が必要になり、また配慮の必要性についても知ってもらわねばなりません。

しかし、自分で伝えることは難しく、さらには家族が周りに関わるすべての人たち一人ひとりに伝えていくことも困難です。

ただ、サポートブックを作っておけば、環境が変わっても、あるいは支援者が変わっても支援が可能ですし、また子どもの現状が変わったとしても、書き換えておけば適切な支援に繋げられます。

さらには、子どもを見つめなおすきっかけにもなり、子どもを客観的に捉えることによって、成長の段階を振り返ることにも繋げられます。

サポートブックを作っておくメリット

サポートブックを活用することによって、言葉では曖昧になってしまうことでも具体的に伝えられますので、子どもに理解してもらいやすくなります。

発達障害を抱える子どもは、さまざまな困難を抱えているケースが多いため、周りで関わる人たちには、必要な配慮について具体的に伝えておかねばなりません。

しかし、なかなか言葉ではうまく伝えられないことや、同じ内容を何度も伝えなければならないなど、大変なシーンが多いものです。

しかし、サポートブックを用意しておき、周りで関わる先生や支援員、スタッフなどに対して示しておけば、効率よく内容を共有することができるのです。

子どもの支援に対しては、さまざまな関係機関が連携しなければなりませんが、そのような意味において、サポートブックは連携ツールとして活用することもできるでしょう。

子どもはもちろん、保護者、そして関わる人たちの安心に繋げられます。

サポートブックの作り方

①自分で調べて作る

②市町村のホームページに型式(テンプレート)がある

③プロと一緒に作成する

サポートブックは決まった形式はありませんので、自分で作ることや市町村が提供している型式を利用すること、プロに相談して子どもに合ったものを作成する方法があります。

①の自分で作る方法は、子どもの特徴にあったものが作成できるメリットの半面、作ることや更新することが大変だというデメリットもあります。

そのため、多くの市町村ではホームページなどで型式(テンプレート)が提供されており、記入例なども示されていることも多いため、参考にしてみると良いでしょう。

また、本当に子どもにあったものを作成したいという場合であれば、支援団体やNPO法人などがサポートブックの作成に取り組んでいるケースもありますので、相談してみると良いでしょう。

サポートブックの作り方のポイント

サポートブックは、『読む相手にとってわかりやすい』ということが大きなポイントになります。

伝えたいことはたくさんあるかと思いますが、本当に伝えたいポイントはどこにあるのか簡潔に捉えるようにし、シンプルに短い言葉を心がけておくと良いでしょう。

また、読んでもらう相手に応じた内容にしておくことが大切で、相手によって必要な情報を書き加えることや、必要のない情報は削除することも必要です。

さらには、『~はできません』より『こうすればできます』、『~しないでください』より『こうすればうまくいきます』の方が具体的な支援方法を伝えることができます。

サポートブックの作り方まとめ

サポートブックについて、どのようなものなのか、作る意味やメリット、作り方について詳しくお伝えしました。

サポートブックとは、子どもが今までにどのような過程を進み、注意点や支援方法などを簡潔にまとめた、支援のための連携ツールの一つです。

記憶はどうしても曖昧になってしまうため、就園や就学のタイミングで作っておくことをおすすめします。